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非NCの新しい名機 final ZE3000 レビュー

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finalが初めて出した完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000」。
使い始めて1ヶ月経ちました。
NC機全盛期の今に敢えて登場した非NC機ですが、15000円とは思えない実力のイヤホンでした。

■デザイン

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まず目を引くのがその特徴的なデザイン。
完全ワイヤレスイヤホンは丸っこい物が多い中、ベンゼン環のような幾何学的な角張ったデザインは異質です。
しかし、これが付け辛いかというとそんなことはなく、意外なことに耳にすっと入ります。
各ばったデザインは手に持ったときに掴みやすく落としにくいというメリットもあります。
完全ワイヤレスイヤホンは小さいこともありポロっと落としやすく、愛用しているWF-1000XM4もしばしば落としてしまいますが、
ZE3000は落とすことはほありません。
好みの分かれるデザインですが、個人的には利便性も含めてお気に入りです。

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ケースはシンプルの一言。
無駄な装飾はありません。
敢えて難点を言うと、やむを得ないのだとは思いますが裏側いっぱいに仕様がシルバーではっきり記載されているのがちょっと勿体ない。
WF-1000XM4のように底面に目立たない色で書いてくれたら良かったのに、と思います。

 

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ケースのサイズも秀逸。
かなり小さいサイズのWF-1000XM4と比較して容積は2/3程度。
厚みが薄いのでポケットにスッと入るのが素晴らしい。

■音質
NC機以外に目立ったライバルがいないので比較がしにくいのですが、NCが付いていないこともあり解像度は一線を画しています。
倍近い値段がするWF-1000XM4と比べても明らかにボンヤリ感が少なく、くっきりしています。
そして低音の響きもかなり良好。
ワイヤレスイヤホンでは中々見かけないレベルで響いてくれます。
なのでアコースティックを聴くには最適なイヤホンかなと思います。
もちろん重低音みたいな迫力の音は出ないですが、解像度の高い高音から響きのある低音まで音が出るオールマイティー機という印象です。
高音がキンキンなることもなく、ボリュームをかなり上げても歪むことが無く長時間のリスニングで全然疲れません。
これは非常にポイントが高い点だと思います。
完全ワイヤレスイヤホンは割と歪みが大きい印象でボリュームを上げると気になることが多いのですが、
NCがあるのでそんなボリュームを上げることが少ないのであまり目立たないのかなと思います。
その点、ZE3000はドライバー自身が歪みが少ない昔ながらのオーディオメーカー的発想の製品かなと思います。

一方で特徴はかなり薄く感じる、という点はあります。
特定の音域を強調しない、というのはメーカー自身のアピールポイントですが、特徴的な音ではない、かといってモニターでもないという当たりはオーディオ趣味人には評価が分かれるかもしれません。

なお、当然NCは付いていないので外音の遮蔽はイヤーピースに頼ることになるのですが、
意外に遮音性は良いです。
流石にNCのように電車内で集中できる、と言うようなことはありませんが、室内の生活音ぐらいなら気にならず音楽に集中できます。

■利便性・その他
他に特徴的なのがその軽さ。
イヤホン本体が両耳で9.5g。ケース込みで41.4gです。
この軽さは可搬性は勿論ですが、装着時に意外なほど効いてきます。
前述の長時間のリスニングで疲れない、ということにも一役買ってるのかと思います。

その他利便性という意味でははっきり言って最低限の物しか付いていません。
NCはコンセプト的に当たり前ですが、外音取り込みやワイヤレス給電にも対応していません。
シンプルで潔いと言えばそうなのですが、少なくともワイヤレス給電には対応して欲しかったかな、と。
ただ充電端子はUSB-Cなのでそこは安心して下さい。今時Micro USB!とかではありません。

finalと言えばどっちかというと一般ウケしないメーカーの印象でしたが、凄いのを出してきたなという感想です。
汎用性はNC機の方が絶対に上ですが、こちらの方が良い場面も多々ありそう。
比較的静かな環境でいい音が聞きたい、という人は買って絶対損しない製品です。